大動脈疾患とは?
大動脈疾患は、心臓から始まる人間の血管の中で最も太い血管である”大動脈”に生じる病気のことで、一般的に「大動脈解離」と「大動脈瘤」の2つに分類されます。
大動脈解離 | 大動脈の内膜が裂け、中膜の隙間に血液が流れ込んで血管が縦方向に剥がれるように裂ける病気です。 |
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大動脈瘤 | 組織異常や動脈硬化などによって“大動脈”に瘤こぶ状のふくらみができる病気です。大動脈瘤の破裂する危険性が高くなると、大動脈瘤を人工血管に置き換える手術やステントグラフト内挿術を行います。 |
障害年金では、大動脈疾患は心疾患による障害に分類されています。
大動脈疾患の障害の程度は、3級のみです。
大動脈疾患の障害年金認定基準 |
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1 胸部大動脈解離(Stanford 分類A型・B型)や胸部大動脈瘤により、人工血管を挿入 し、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの |
2 胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤に、難治性の高血圧を合併したもの |
(注1)
Stanford 分類A型:上行大動脈に解離がある。
Stanford 分類B型:上行大動脈まで解離が及んでいないもの。
(注2)
大動脈瘤とは、大動脈の一部が“嚢状”または“紡錘状”に拡張した状態で、先天性大動脈疾患や動脈硬化(アテローム硬化)、膠原病などが原因となる。これのみでは認定の対象とならないが、原疾患の活動性や手術による合併症が見られる場合には、総合的に判断する。
(注3)
胸部大動脈瘤には、胸腹部大動脈瘤も含まれる。
(注4)
難治性高血圧とは、塩分制限などの生活習慣の修正を行った上で、適切な薬剤3薬以上の降圧薬を適切な要領で継続投与しても、なお、収縮期血圧が140mmHg以上又は拡張期血圧が90mmHg以上のもの。
(注5)
大動脈疾患では、特殊な例を除いて心不全を呈することはなく、また最近の医学の進歩はあるが、完全治癒を望める疾患ではない。従って、一般的は1・2級には該当しないが、本傷病に関連した合併症(周辺臓器への圧迫症状など)の程度や手術の後遺症によっては、さらに上位等級に認定する。
(注6)
大動脈瘤の定義:嚢状のものは大きさを問わず、紡錘状のものは、正常時(2.5~3cm)の1.5倍以上のものをいう。(2倍以上は手術が必要。)
人工血管にはステントグラフトも含まれる。
一般状態区分表
区分 | 一般状態 |
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ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |