初診証明が取れない場合

 平成27年10月1日から障害年金の初診日を証明する書類が添付できない場合であっても、初診日を合理的に推定できるような一定の書類により、本人が申し立てた日を初診日と認められるようになりました。

初診日の証明書類がない場合
初診日を証明する書類の無い場合、以下の提出書類を審査のうえ、本人の申し立てた日が初診日として認められます。


①初診日について第三者(隣人、友人、民生委員等)が証明する書類及び参考書 類が提出された場合
 ※ 20歳前に初診日がある障害基礎年金については、以前から第三者の証明による
  初診日の確認が認められています。

②保険料納付要件を満たしたうえで、初診日が一定の期間内にあることを示す参 考書類が提出された場合 


◆<参考書類の例>
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・糖尿病手帳・お薬手帳(処方箋)
領収書・診察券(診察日や診療科が分かるもの)・問診票
身体障害者手帳等の申請時の診断書
生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書
事業所等の健康診断の記録
母子健康手帳 
健康保険の給付記録
小学校・中学校等の健康診断の記録・成績通知表
盲学校・ろう学校の在学証明・卒業証書
初診日に関する第三者からの申立書
入院記録・手術記録・入院時の同意書・入院時の説明書・看護サマリー・処方箋救急搬送記録・交通事故証明書
日記帳・古いカレンダー 他




 

 

 初診日が5年経過していてカルテが保存されていなくても、「患者サマリー」として既往歴を保存している医療機関が多くなってきています。


 *患者サマリー
 患者の病歴や治療・看護等の情報を要約した書類である。患者が転院または退院する際や病棟が変わる際に、次の受け入れ先(施設、家庭、別の病棟など)でスムーズなケアと継続的な看護が続けられるようにするため、看護師が作成するものです。

 

 

 

 

 実際のところ第三者証明だけで初診日が認められるようなことはほぼありません。
 医師や看護師の協力を得られる場合を除いては、第三者証明だけでなく初診日について参考となる他の資料の提出が必須です。


 年金事務所へ相談に行かれると、「初診日の証明できないようであれば第三者証明を出すように」と言われることがあります。
 相談者は第三者証明さえ出せば初診日が認められると思いがちですが、それは大きな間違いです。友人、知人に書いていただいても、よほど客観的にかつ説得力のある内容でないと認められることはありません。


 初診日の証明ができない場合は第三者証明に走る前に、とにかく受診した病院をどんどん遡っていき、カルテの有無を確認したうえで、カルテ内に初診日の記載がないか確認をしていく必要があります。請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(カルテ等)に本人申立ての初診日が記載されており、それをもとに作成された資料があれば、その資料単独で初診日の認定が可能となります。
 記載内容の証明をお願いしても、病院からは断られることが有ります(理由は不明ですが)。その場合はカルテの開示請求をかけ障害年金請求時に添付するという方法もあります。

 障害年金は初回の請求が非常に大切です。とりあえず出して不支給なら不服申し立てができるという発想は非常に危険です。審査請求、再審査請求まで考えた場合、請求時から2年程度はかかります。その労力は計り知れません。
 障害年金は書類さえそろえば誰にでも請求は可能です。ゆえに、安易に請求をし不支給決定を受ける方が非常に増えております。


 初回請求で受給権を取るために、少しでもご不安なことがございましたら、障害年金を専門とする社会保険労務士にご相談ください。

 

 


2021年08月18日