生活保護受給中の方へ
生活保護受給中の障害年金請求
知っておくべき4つの重要ポイント
1. 「他法優先」の原則
ケースワーカーから、なぜ申請を勧められるのか?
生活保護には、他の制度で受けられる給付を優先的に受けるという「他法優先」の原則があります。そのため、障害年金をもらえる可能性がある方は、ケースワーカーから申請するように指導(指示)されることが一般的です。これは「生活保護を切るため」ではなく、制度を正しく適用するためのステップです。
2. 受給額の計算と「障害者加算」
障害年金を受給すると、その全額が「収入」として認定され、その分だけ生活保護費が減額されます。
【計算のイメージ】
生活保護費(最低生活費) - 障害年金額
= 実際に支給される保護費
しかし、障害年金(1級または2級)が認定されると、生活保護に「障害者加算」がつきます。
メリット: 年金額が引かれても、加算がつくことで結果的に世帯全体の受給総額(手元に残るお金)が月額1.5万〜2.5万円ほど増えるケースが多いです。注意点: 精神障害者保健福祉手帳の場合、障害年金3級では「障害者加算」がつかないため、手元に残る総額は変わらないことがほとんどです。
| <注意点> 多くの自治体では、精神障害者保健福祉手帳(1・2級)があれば、障害年金を受給していなくても生活保護などの「障害者加算」が支給されることがあります。 加算を受けている人が、新たに障害厚生年金を請求する際には以下のリスクがあります。 手帳が2級であっても、障害厚生年金の審査では「3級」と判定されるケースがあります。 障害者加算の判定において、手帳の等級よりも「年金の等級」が優先されるルールがあるため、年金が3級になると、それまで手帳2級を根拠に受けていた障害者加算が打ち切られることになります。 |
3. 最大の難関「遡及(そきゅう)請求」と返還義務
過去に遡って数年分の年金が一括で入る「遡及請求」が認められた場合、非常に注意が必要です。返還義務: 遡及分として受け取ったお金のうち、生活保護を受けていた期間と重なる分は、「生活保護法第63条」に基づき自治体へ返還しなければなりません。トラブル回避: 振り込まれた大金を見て「自由に使っていいお金だ」と誤解し、使い込んでしまうと、後から自治体から高額な返還請求が届き、生活が破綻するリスクがあります。入金があったら、まずは手を付けずにケースワーカーへ報告することが鉄則です。
4. 障害年金を受給する「隠れたメリット」
金額面以外にも生活保護受給者が障害年金を持つメリットは大きいです。
自立への足がかり
将来的に体調が回復して就労し、生活保護を脱却した場合でも、障害年金は(更新で認められる限り)継続して受給できます。
・家財や資産の制約
生活保護は資産の保有に厳しい制限がありますが、障害年金にはその制限がありません。
心理的な安心
「国から障害の状態を認められた」という事実は、ご本人にとって大きな心の支えになることがあります。
申請をスムーズに進めるためのチェックリスト
①事前にケースワーカーに相談する
無断で申請して事後報告になると「収入隠し」と疑われるリスクがあります。
② 診断書費用の公費負担を確認する
自治体によっては、障害年金申請のための診断書代を生活保護の「検診料」として支給(経費認定)してくれる場合があります。
*経費認定をしてもらえるか事前確認を
診断書作成料等、先に本人が負担し、後日障害年金の受給権を得た場合にかかった経費分を負担してもらえる場合があります。この場合、不支給決定となった場合は持ち出しとなる可能性があります。
③専門家(社労士)の活用を検討する
生活保護受給中の方は、書類作成の負担が重荷になりがちです。また、返還金の計算など複雑な面もあるため、専門家への依頼がスムーズです。
*社労士い支払う報酬も経費負担してもらえるかどうか事前確認が必要です。
「将来的に就職し、生活保護からの自立を目指している方こそ、就労支援施設での活動と並行して障害年金の受給を検討してみませんか? 仕事を始めたばかりの時期は体調も不安定になりがちですが、障害年金という『安定した土台』があることで、無理のないペースで社会復帰へのステップを上っていくことができます。」






