障害手当金とは、病気やケガで障害者となった際に、障害の程度が軽い場合に一時金としてもらえる制度のことです。
これは障害厚生年金制度にのみある制度です。
障害手当金が受給できるかどうかは、次の5つの要件に該当するかどうかで決まります。
障害手当金の受給要件
1.厚生年金保険の加入中に初診日があること
原則として、初診日時点において厚生年金保険に加入している
必要があります。
2.初診日から5年経過の間にその病気やケガが治っていること
初診日から5年経過しても完治しない病気やケガについてはこ
の障害手当金は請求することができません。病気やケガが治った
場合にのみ、請求することができます。
3.病気やケガが治った時に一定の障害の状態にあること
障害手当金がもらえるかどうかは、治った状態次第で決まり
ます。つまり、障害認定基準の障害手当金に該当する程度の症状
かどうかということが判断基準となるわけです。
4.一定期間以上の保険料納付があること
初診日の前々月まで年金加入期間(被保険者期間)のうち、
滞納期間が3分の1未満ならば、障害手当金の請求ができます。
5.病気やケガが治ってから5年以内に請求すること
厚年法92条の時効により、治った日から5年以内に請求をしな
いと請求されません。障害手当金についても、他の制度と同様に、
自分自身で請求しないと受給することはできません。
*病気やケガが治った日において、厚生年金・国民年金・共済
年金のどこからか年金を受給できるときは、障害手当金は支給さ
れません。実際にもらっていなくても、受け取る権利を持ってい
るだけでも支給はされません。
但し、上記の3つの制度の障害年金の受給権者が障害等級の3級
にも該当しなくなってから3年以上たった場合に、別傷病で障害手
当金にあたる障害状態となった時は障害手当金が支給されます。
労災との支給調整について
障害手当金と同一傷病において労災(補償)給付における「障害(補償)
給付」を受ける権利を有する場合、障害手当金を受給することはでき
ません。
注意事項
・障害者特例により定額部分が発生した後に、厚生年金保険に加入し被保険者となった場合、定額部分(加給年金額を含む)の支払いは停止されます。
・障害者特例により定額部分が発生した後に、障害状態ではなくなったときは、定額部分(加給年金額を含む)の支払いを停止するため、「厚生年金保険 年金受給権者障害者特例不該当届(繰上げ調整額停止届)」の提出が必要です。
平成26年4月1日以降の請求については、請求より前に次の1~3のいずれかの日がある場合、その日に請求があった日とみなすことができま
す。(ただし、平成26年4月1日前にはさかのぼりません。)
①障害年金の受給権を有していて、かつ、厚生年金保険被保険者でない方が特別支給の老齢厚生年金の受給権者となった日
②特別支給の老齢厚生年金の受給権者であって、かつ、厚生年金保険被保険者でない方が障害年金の受給権を有することとなった日
③特別支給の老齢厚生年金の受給権者であって、かつ、障害年金の受給権を有している方が厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日