30代女性
Q.うつ病が悪化し、来月から休職する予定です。傷病手当金の手続きをしてもらっていますが、あわせて障害年金の請求を行った場合どうなりますか。
A.まずは傷病手当金が全額支給されます。その後障害年金の受給が決定して支給が始まると、重複期間についても障害年金が全額支給されます。このままでは重複部分が生じてしまうため、健康保険の方から「障害年金と重複して支給した部分の傷病手当金を返還してください。」という連絡が来ます。
なお、返還が必要なのは、重複期間のうちの障害年金相当分のみです。「傷病手当金の日額」と、「障害厚生年金の額(同一の支給事由に基づいて障害基礎年金の支給も受けることができるときは、障害厚生年金と障害基礎年金との合計額)の360分の1の額」とを比較し、傷病手当金の日額の方が高い場合は、差額分は傷病手当金から支給されます。この差額部分の支給については返還する必要はありません。
「傷病手当金」は、被用者保険(健康保険、共済組合)の制度です。
業務外の病気やケガのために働くことができず、十分な報酬を受け取れない場合に支給されます。
「傷病手当金」と「障害年金」は、重複して受給することができません。併給調整が行われます。
併給調整される場合
支給の原因となる病気やケガが同一の場合
障害年金は全額支給され、一方で傷病手当金は、障害年金との差額分の金額に併給調整されます。
ただし、「障害厚生年金」の額(障害基礎年金も受けられるときはその合計額)の360分の1が「傷病手当金」の日額より低いときは、その差額が支給されます。
例えば以下のように、傷病手当金の日額が10,000円、障害年金の日額が8,000円の場合には併給調整されて、傷病手当金は2,000円のみ支給されます。
併給調整されない場合
傷病手当金と障害年金で支給事由となる傷病が異なる場合
例えば、人工透析で障害年金を受ける方が、精神疾患で傷病手当金を受けるときには、併給調整されず両制度から満額を受給することが可能です。
障害基礎年金のみを受給されている場合