知的障害と精神疾患が併存。障害年金請求で損をしないための重要ポイント
「知的障害で療育手帳は持っているけれど、最近うつ症状がひどくて働けない」 「発達障害や知的障害に加えて、幻覚や妄想(統合失調症)が出てきた」
知的障害に他の精神疾患が重なった場合、日常生活の困難さはさらに増します。しかし、障害年金の審査においては、「障害が2つあるから、自動的に等級が上がる」という単純な仕組みにはなっていません。
実態よりも軽く判定されてしまう「不支給リスク」を避けるために、当事務所が重視している3つの注意点を解説します。
1. 「足し算(併合)」ではなく「総合判定」
身体障害の場合、複数の障害があれば点数を足し合わせる、「併合認定」が行われます。しかし、知的障害と他の精神疾患(うつ病、統合失調症、発達障害など)が併存している場合、「併合認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断する」というルールがあります。
つまり、別々の障害として個別に評価されるのではなく、「それらが混ざり合った結果、今の生活がどれだけ大変か」を一つのパッケージとして審査されるのです。
<注意点>
診断書の中で「知的障害の状況」と「精神疾患の症状」がバラバラに書かれ、全体の困難さが伝わらないと、低い等級に据え置かれる恐れがあります。
2. 診断書の「ものさし(判定基準)」をどちらにするか
精神の障害用診断書には、「日常生活能力の程度」を評価する欄が《精神障害用》と《知的障害用》の2種類用意されています。
《知的障害用》基準
「会話の成立度」や「読み書きの能力」など、知的能力の欠如による支障を重視。
《精神障害用》基準
「意欲の減退」や「対人交流の回避」など、病状による変動や制限を重視。
知的障害がある場合、原則として《知的障害》の基準で判定しますが、精神疾患の症状が重く、そちらの基準で評価したほうが本人の実態を適切に反映できる場合は、そちらを選択して記載してもらう必要があります。
「自分の場合はどちらの基準で書いてもらうのが有利なの?」と迷われる方は、まずはご自身症状について把握している、担当医にご相談されることをお勧めいたします。
3. 「療養状況」と「薬物療法」が重要な証拠になる
知的障害のみの場合、通常は薬の服用はありません。しかし、精神疾患が併発している場合、通院回数や投薬の内容が重要な審査材料になります。
薬の種類と量
どのような目的で、どれほどの量を、どのくらいの期間服用しているかが、障害の重さを裏付ける客観的なデータとなります。
不適応行動の記載
精神疾患の影響で「パニック」や「自傷・他害」などの不適応行動が出ている場合、その詳細な療養状況を診断書に盛り込むことが不可欠です。
知的障害に精神疾患が併存しているケースは、「初診日はいつになるのか(20歳前か、事後重症か)」という点でも非常に高度な判断を要します。
当事務所では、これまで多くの「併存疾患」のケースをサポートし、受給権を勝ち取ってきました。
「医師に『知的障害があるから精神疾患の分は書けない』と言われた」
「療育手帳がB判定(軽度)なので、2級は無理だと思っている」
「昔から知的障害はあるが、今回初めてうつ病で申請したい」
こうしたお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、お近くの障害年金専門の社労士ににご相談ください。








