障害年金「まずは自分で請求して、不支給なら社労士に頼めばいい」が絶対NGな5つの理由
障害年金の請求を検討されている方の中で、よくこのような声を耳にします。 「社労士に頼むとお金がかかるから、まずは自分で請求してみよう。もしダメ(不支給)だったら、その時に社労士にやり直してもらえばいい」
一見、合理的でリスクのない選択肢のように思えるかもしれません。
しかし、障害年金の請求においては、この考え方は非常に危険であり、大きな間違いです。
結論から申し上げますと、「一度自分で請求をして不支給になった案件を、後から社労士がひっくり返すのは至難の業」であり、最悪の場合、本来もらえるはずだった数百万円単位の年金を一生涯失うリスクすらあるからです。
(そもそも、不服申し立てから引き受けてくれる社労士は少ないです。ビジネスである以上、案件を多く抱える社労士事務所ほど、不服申し立てという時間と労力のかかる、割に合わないない案件を引き受けたがりません)
では、なぜ「まずは自分で」が取り返しのつかない事態を招くのか、専門家の視点から5つの決定的な理由を解説します。
理由1:一度提出した書類(カルテや診断書)は「証拠」として残る
年金機構の審査は、すべて「書類」で行われます。 一度ご自身で提出して不支給になってしまった場合、その時に提出した診断書や「病歴・就労状況等申立書」のコピーは、すべて年金機構に保管されます。
後から社労士が介入して「前の書類は書き方が間違っていたので、これが正しい実態です」と主張しても、審査官からは「不支給になったから、後から都合のよいことを言っているだけではないか?」と疑われてしまいます。一度出されてしまった「不備書類」の証拠能力を覆すのは、社労士であっても容易ではありません。
理由2:最も金額が大きくなる「遡及請求」ができなくなる
障害年金には、過去に遡って年金を一括で受け取れる「遡及請求」という仕組みがあります。数年分の遡及が認められれば、一度に数百万円が支給されることも珍しくありません。
しかし、自分で請求をして「当時の障害状態が基準を満たしていない」と判断されて不支給が確定すると、その過去の期間に対する遡及請求は、原則として、再度請求することは非常に難しくなります。
その後、社労士に依頼して「今現在の状態」で再請求(事後重症請求)をして受給が決まったとしても、過去の数百万円を受け取る権利は二度と戻ってきません。
(*)遡及請求は社労士に依頼されることをお勧めいたします!
理由3:不支給からの「不服申し立て」は成功率が極めて低い
「不支給になったら、社労士に頼んで不服申し立てをしてもらえばいい」と考える方もいます。 しかし、国の統計を見ても、審査請求によって最初の決定が覆る確率(容認率)はわずか10%程度と、極めて低いのが現実です。
なぜなら、審査請求は「最初の請求書類に不備はなかったか」「国の判断に間違いはなかったか」を検証する場だからです。最初に出した書類自体に不備があれば社労士といえども決定を覆すことは難しく、「保険者の判断は妥当である」と退けられて終わりです。
理由4:医師に「診断書の再作成・修正」をお願いするのは至難の業
自分で請求をして不支給になる原因の一つに、医師が作成した診断書に「日常生活の困りごと」が十分に反映されておらず、実態より軽く書かれてしまったというものがあります。
不支給になった後で、医師に「先生、この前の診断書だと不支給になったので、もっと重く書き直してください」と頼んでも、多くの医師は「私は医学的に正しく書きました」「後から内容を変えることはできません」として応じてくれません。
その後、医師との信頼関係にヒビが入り、通院や診察に支障が出るケースも少なくありません。 昨今、新しく精神科・心療内科がすぐに見つかるわけでもありません。 診断書の作成依頼については、最初の段階から、医師に対して「年金の認定基準に沿った正しい実態」を伝えるアプローチをしておくことが不可欠です。
(*)依頼する際に、しっかりとガイドラインや認定基準を理解しておく必要があります。
医師が必ずしも診断書の記載要領を理解しているわけではありません。
理由5:時間と労力を消耗し、病状が悪化してしまうリスク
障害年金の書類集めや作成は、健康な人でも音を上げるほど複雑で、膨大なエネルギーを要します。 年金事務所に何度も足を運び、専門用語だらけの書類を書き、体調が悪い中で医師や窓口と交渉する――。これをご自身でやり切った末に「不支給」という通知が届いた時の精神的ダメージは、計り知れません。
精神疾患や重い病気を抱える方が、このストレスによってさらに病状を悪化させてしまっては元も子もありません。
障害年金は「最初の一歩」がすべてを決めます
障害年金の請求は、実際のところは一発勝負です。 最初の請求で、不十分な書類を出して不支給になってから、あわてて社労士を雇っても、一度確定した決定を覆すのは不可能な場合がほとんどです。
「社労士への報酬がもったいないから」と自分で申請した結果、不支給になり、将来もらえるはずだった数百万、数千万の年金を失ってしまっては、本末転倒と言わざるを得ません。
障害年金の請求を最初から社会保険労務士に依頼する「本当のメリット」とは?
「社労士に頼むと費用がかかるから……」と躊躇される方も多いかと思います。しかし、最初から専門家に依頼することには、費用相応のメリットが存在します。
当事務所が考える、最初から依頼すべき本当のメリットを詳しく解説します。
Ⅰ. 精神的・肉体的な負担が激減し、治療と療養に専念できる(期間短縮による経済的メリットも)
体調が優れない中で、公的制度の複雑な仕組みを調べ、何枚もの書類を書き、医師や年金事務所とやり取りをするのは想像を絶するストレスです。
「社労士への報酬」がネックに感じられるかもしれませんが、実はここには大きな盲点があります。 ご自身で手探りで手続きを行うと、請求までに約4〜6ヶ月もの時間がかかってしまうことが珍しくありません。一方で、経験豊富な社労士にお任せいただければ、たいていの場合約2〜4ヶ月で請求が可能です。
請求時期が2ヶ月早まれば、その分だけ「2ヶ月分早く年金を受け取れる」ことになります。この早まった分の年金額を社労士への報酬に充てたと割り切って考えれば、最終的にご自身の手元に残るお金は、自分で苦労して請求した場合とほとんど変わりません。
大変な実務はすべて丸投げし、ご自身は余計なストレスから解放されて「治療と療養」に専念できることこそが、最初から依頼する最大のメリットです。
Ⅱ. 審査請求(不服申し立て)まで一括して行ってもらえる安心感
万が一、最初の請求で「不支給」の決定が下されてしまった場合、「決定に納得がいかない」と不服を申し立てる「不服申し立て」という手続きがあります。
これから社労士への依頼を検討される際は、「万が一不支給だった場合、不服申し立てまで一括して受任してもらえるか」をぜひ確認してください。 多くの障害年金専門の社労士は、最初の請求依頼のパッケージ内にこの不服申し立ての手続きも含めて受任しています。最初からご依頼いただくことで、「もしダメだったらどうしよう」という不安を抱えることなく、万が一の事態まで想定したうえで、一貫したサポートを受けることができます。
(*)「不服申し立てまではできない」社労士事務所もありますのでよくご確認ください。もちろん、不服申し立てまでを受任=「必ず受給できる」ということではありません。
Ⅲ. 受給確率(支給の可能性)を最大限に高められる
正直にお伝えいたしますが、障害年金の審査において「支給率100%」を保証できる社労士は一人もいません。最終的な決定権はあくまで国(年金機構)にあるからです。
しかし、「ご自身で請求されるよりも、社労士が代行したほうが受給確率は確実に上がる」ということは断言できます。 障害年金の専門家である社労士が、制度の認定基準を熟知した上で手続きを行うからこそ、一般の方が請求するよりも高い確率で受給に導くことができるのです。
もし、社労士が手続きをしても受給確率が変わらないのであれば、「専門家」を名乗る意味はありません。診断書のチェックや申立書の作成において、これまでの経験と知識を総動員し、依頼者の受給確率を最大限に高めていきます。
SNSやユーチューブ動画等で「障害年金請求は自分でできる」という動画はありますが、「不服申し立ては自分で簡単にできる」動画や、情報はほとんどありません。 障害年金請求というものの「入口」は教えても、「出口」まで案内していないのと同じです。「請求ができる」と「受給できる」は別物です。安易な請求は次の機会すら奪う可能性があります。
お手軽な情報に惑わされご自身で動かれる前に、まずは一度、お近くの障害年金を専門とする社労士にご相談ください。








