精神障害で「障害年金2級」を勝ち取る生活状況の共通点とは?

 精神障害(統合失調症、気分障害、知的障害、発達障害など)において、「どのような生活状況であれば2級に認定されるのか」は、多くの方が抱える切実な悩みです。
 現在の認定審査では、単なる主観ではなく、国が定めた「等級判定ガイドライン」に基づいた数値的な目安と、具体的な支援の実態が極めて重視されます。


精神障害で「障害年金2級」を勝ち取る生活状況の共通点とは?

「家の中ではなんとか過ごせているけれど、一歩外に出るのが怖い」
「家族に食事や洗濯をすべて任せているけれど、これでも受給できるの?」
精神疾患や発達障害で2級(日常生活に著しい制限がある状態)を目指す際、多くの方が「一人でできること」の少なさに注目しがちです。しかし、審査でみられているのは「周囲の援助があるからこそ、かろうじて生活が成り立っている」という事実です。

今回は、2級認定を左右する「生活状況」の具体的な判定基準を解説します。


1. 診断書の「数値」に隠された合格ライン


 精神障害の審査には、2016年から導入された「等級判定ガイドライン」という一つの物差しがあります。診断書の「日常生活能力の判定(7項目の平均値)」と「日常生活能力の程度(5段階評価)」が以下の組み合わせに該当するかが、2級認定の大きな目安となります。


2級認定の有力な目安(精神の障害に係る等級判定ガイドラインより)


2. 「一人暮らしだったら?」という視点が重要


 現在、ご家族と同居してサポートを受けている方は、「家族の助けがあるから生活が安定している」とみなされ、不当に軽く判定されるリスクがあります。
 審査では、「もし一人暮らしをしたとしたら、どのような支障が出るか」という想定が基準となります。
・家族が食事を用意しなければ、カップ麺やパンだけで済ませてしまう。
・家族が声をかけなければ、何日も入浴や着替えをしない。
・家族が金銭を管理しなければ、計画的な買い物ができず生活が破綻する。

 このような「家族による見えない援助」の実態を医師に正しく伝え、診断書の「⑪日常生活活動能力」欄を記載してもらうことが、2級への近道です。

*但し、昨今「家族と同居」で日常生活状況が保たれている場合、不支給(2級非該当)とされる事案が増えています。目安は一人暮らしを想定し評価され2級相当でも、結果的に(家族の援助のもと)ADLが保たれている場合、「日常生活に制限なし」とされる不可解な判定が行われています。


3. 2級認定が検討される具体的な生活シーン


 疾患別に、以下のような状況が続いている場合は2級の可能性を検討すべきです。

<統合失調症・気分障害>
  幻覚や妄想、あるいは重い抑うつ状態等により、社会的な対人交流が乏しく、長期間「ひきこもり」の状態にある。

<知的障害>
  会話による意思疎通が簡単なものに限られ、日常生活全般にわたって具体的な助言や指導を必要とする。

<発達障害>
  知能指数(IQ)が高くても、コミュニケーション等対人関係に問題があったり、またこだわりが強く、社会生活への適応にあたって第三者の援助が不可欠である。

<てんかん>
  十分な治療を行っても、意識障害を呈する発作が年に2回以上、または意識消失を伴わない発作が月に1回以上あり、日常生活が著しく制限される。


 障害年金の申請で最も多い失敗は、「実態よりも日常生活が『できる』ように書かれた診断書」をそのまま提出してしまうことです。一度提出した書類を後から修正するのは、至難の業です。

 診断書が軽く書かれているからと言って、担当医に「もっと症状を重く書いてくれ」と言っても、ほとんどの医師は修正に応じてくれません。患者の要望通りに自信の見立てを無視し重い内容を記載することは不正受給につながるからです。医師に依頼するときは、診断書の記載要領やガイドラインをもとに、記載上の不備や表現方法の修正を根拠を示したうえで依頼する必要があります。

 当事務所では、医師に書いていただいた診断書が「受給目安(2級など)」をしっかりと満たしているか、プロの目で細部までじっくりと確認いたします。 診断書に記載された、ほんのわずかな表現の違いが、審査の結果を大きく左右してしまうケースは少なくありません。
 「ご自身にとってどの表現が不利になってしまうのか」の判断は、数多くの請求業務を経験してきた社労士だからこそ見極められる領域です。
 「手元の診断書で本当に大丈夫かな…」と少しでも不安に思われたら、まずは提出前に一度、当事務所にご相談ください。

 

 

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