コロナ後遺症で障害年金は受給できる?請求のポイント


 新型コロナウイルス感染症の治癒後も、強い倦怠感、息切れ、ブレインフォグ(思考力の低下)、関節痛などの症状が続く「コロナ後遺症」により、日常生活や仕事に重大な支障をきたしている方が増えています。
 コロナ後遺症は、現在の障害認定基準に特定の傷病名として記載はありませんが、「その他の疾患による障害」等として障害年金の支給対象となります。

 

コロナ後遺症で対象となる主な症状


 障害年金は「特定の病名」ではなく、「その症状によってどれだけ日常生活や仕事に支障が出ているか」で判断されます。コロナ後遺症では主に以下のような症状が請求の対象になります。


• 倦怠感・疲労感(慢性疲労)
  微熱や激しいだるさが続き、起き上がれない(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に酷似した状態)
• ブレインフォグ・精神神経症状
 集中力低下、記憶障害、頭にモヤがかかったような状態、抑うつ・不安
• 呼吸器症状
  少し動くだけで激しい息切れや呼吸困難が生じる
• 疼痛系症状
 全身の強い痛み(線維筋痛症のような状態)


どの認定基準で審査されるのか?


 コロナ後遺症は症状が多岐にわたるため、主に以下の基準に照らして審査が行われます。


• その他の疾患による障害(第18節)
  倦怠感、痛み、筋力低下、ブレインフォグなど、全身の衰弱や機能障害が主症状の場合に適用されます。

• 呼吸器疾患による障害(第10節)
 肺線維症など、呼吸困難や息切れが主症状の場合に適用されます。

• 精神の障害(第8節)
 後遺症に伴ううつ症状や強い不安感、意欲減退が著しい場合に適用されます。


 特定の認定基準に明示されていない障害については、その障害によって生じる状態を医学的に判断し、最も近似している認定基準を準用して判定されます。
障害年金を受給するための3つの基本要件


 コロナ後遺症に限らず、障害年金を請求するには以下の3要件を満たす必要があります。


1. 初診日要件
o 後遺症の症状で初めて医療機関を受診した日が「初診日」となります。
o ※コロナ発症時に受診していればその日、市販キットで陽性となり後から体調不良で初診を受けた場合はその受診日となります。
*医療機関を伴わないPCR・抗体・抗原検査で陽性となった日自体は初診日として認められません。必ず「医師の診察を受けた日」が起点となります。


2. 保険料納付要件
o 初診日の前日時点で、公的年金保険料の納付要件(一定期間の納付や免除)を満たしていること。


3. 障害認定日要件
o 原則として初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)時点で、一定以上の障害状態にあること。


コロナ後遺症で見られる病名について


 1. 全身症状・強い倦怠感系

 最も頻度が高く、日常生活や労働に著しい支障をきたすケースで付される病名です。

• 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)
 o 微熱、強い全身倦怠感、労作後の症状悪化(PEM)などが長期化する場合に診断されます。コロナ後遺症の重症例で非常に多くみられる病名です。

• COVID-19罹患後症状/コロナ後感染後症候群
 o ICD-10等の病名コードに基づき、そのまま「COVID-19罹患後症状」として診断書に記載される場合もあります。

 2. 自律神経・循環器系


 起き上がると動悸やめまいがする、立ちくらみで起立を保てないといった症状で診断されます。

• 体位性頻脈症候群(POTS)
 o 横になっている状態から立ち上がった際、血圧低下を伴わずに心拍数が著しく増加(毎分30回以上上昇など)する自律神経障害です。

• 起立性調節障害(OD)/自律神経失調症
 o 自律神経の機能低下により、血圧調節や心拍制御が正常に行われない状態です。

 3. 精神・認知機能系(ブレインフォグ等)


 思考力の低下、記憶障害、集中力の欠如(ブレインフォグ)や、長期の体調不良に伴う精神的負担から診断されます。

• うつ病/うつ状態(大うつ病性障害)
 o 意欲低下、気分の落ち込み、不眠などが強く出ている場合に精神科・心療内科で診断されます。

• 適応障害/不安障害(不安症)
 o 後遺症に伴う生活・仕事環境の変化や体調不安から精神的症状が強く表れる場合です。

• 高次脳機能障害
 o ブレインフォグ等により、仕事の手順が分からない、短期記憶が保持できないといった著しい認知機能低下が検査(WAIS等)で確認された場合に付されることがあります。

 4. 呼吸器系

息切れ、慢性的な咳、呼吸困難が主症状の場合に呼吸器内科等で診断されます。

• 間質性肺炎/過敏性肺臓炎(後遺症期)
 o コロナ急性期の炎症により肺に線維化やダメージが残っている状態です。

• 慢性呼吸不全

 最も発生頻度の高い、慢性疲労症候群を例に解説します


障害状態を認定する際に参考となる検査所見等はほとんどありませんが、診断書の書き方と等級認定のポイントが公開されています。


 

厚労省の認定事例では

 一般状態区分 オ  +  PS 9  で1級9号
 一般状態区分 エ  +  PS 8  で2級15号
 一般状態区分 ウ  +  PS 5  で3級12号 となっています。

 但し、上記はあくまでも例示です。

 

 診断書作成上の注意点

 コロナ後遺症は、「客観的な検査数値に出にくい」「症状が日によって大きく変動する」「倦怠感やブレインフォグなど目に見えにくい症状が多い」という特性があるため、診断書作成時には独特の配慮が必要です。

1. 「日常生活や就労への影響」を具体的に反映させる

 障害年金や休業補償等の診断書では、単なる病名や自覚症状の記載だけでなく、「その症状によって日常の動作や就労がどの程度制限されているか」が最も重視されます。

具体性の確保

「強い倦怠感がある」だけではなく、「1日に○時間以上横になって過ごす必要がある」「連続して15分以上歩行できない」「週に○日以上は外出不能になる」など、定量的・具象的な記載を依頼します。

ブレインフォグ・認知機能の低下
 記憶障害や集中力低下がある場合は、「簡単な計算作業でミスが頻発する」「会話の内容を数分間記憶保持できない」「文章の精読・作成が不可能」といった作業上の制限を盛り込みます。

2. 症状の「変動性・波」を正しく記載してもらう

 コロナ後遺症は、「調子が良い日」と「動けない日」の波が激しいのが特徴です。診察時だけを見て「比較的良好」と書かれてしまうと、実情と乖離した診断書になってしまいます。

最悪の状態や平均的な状態の申告
 診察室で少し話せたからといって「軽症」と判断されないよう、「受診のための外出だけで翌日以降数日間寝込む」といった実情を医師にあらかじめ伝えておく必要があります。

 「日によって症状の動揺が激しく、好調時でも〇〇の制限がある」「無理をすると数日間寝たきりになる」など、症状の波を含めた全般的な障害程度を明記してもらいます。

3. 客観的検査所見(他角的所見)の補強

 コロナ後遺症は血液検査や画像診断で異常が出ないケースが多く、診断書上で「他角的所見なし」とされると不支給や非該当のリスクが高まります。可能な限り客観的データを取り込みます。
可能な検査の実施
・神経系・認知面: 心理検査(WAIS-IV、HDS-R、MMSEなど)
・ 自律神経系: 起立試験(OD / POTS判定のための血圧・心拍数変化)
・呼吸器系・循環器系: 24時間心電図(ホルター)、SpO2の動的モニタリング、呼吸機能検査

 

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当事務所へ依頼するメリット

 ワンストップでの多角的申請 障害年金(社労士領域)と予防接種健康被害救済制度(行政書士領域)の両手続きを窓口一本で併用申請(請求)でき、給付の最大化と負担軽減を図れます。

 客観的立証力の高さ 検査数値に出にくい倦怠感やブレインフォグ等の症状を、認定基準に精通した社労士と法的文書作成に長けた行政書士の双方の視点で精緻に書類化します。

 複雑な初診日・因果関係の整理 難所となる初診日の特定や証拠集めを法的に整理し、不支給リスクを最小限に抑えます。

 

 コロナ後遺症は新しい疾患であるため、審査側も慎重な判断を行っています。そのため、診断書と「病歴・就労状況等申立書」の整合性を高め、いかに日常生活や労働が制限されているかを論理的に証明することが受給への鍵となります。

 「自分の状態で受給できるのか?」と不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

 

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